「遅延型食物アレルギーを調べる抗体検査」日本小児アレルギー学会が注意喚起

公開日: 

Sponsored Links




「遅延型食物アレルギーを調べる抗体検査について、日本小児アレルギー学会が推奨しないという見解をまとめ、注意喚起した」という記事が新聞に掲載されていました(2014年12月5日付朝日新聞朝刊)。
私も以前からこの検査については気になっていて調べていたのですが、このような報告が出て驚きました。なぜなら、多くの医療機関で取り入れられている検査だからです。早速、記事の内容を踏まえながらまとめてみました。

遅延型食物アレルギーと即時型食物アレルギーの違い

食物アレルギーの出現には以下の2つがあり、それぞれ次のような特徴があります。

即時型食物アレルギー・・・食べた直後~約4時間以内を目安に症状が発生するので、何が原因で症状が出たのか分かりやすい。

遅延型食物アレルギー・・・食べた翌日や2日後を目安に症状が発生するため、何が原因で症状が出たのか分かりにくい。

わが家の次男は、アナフィラキシーも起こす即時型の食物アレルギーを持っていますが、長男や夫は原因不明の鼻水や湿疹の悪化、体調不良などがあり、私はこれに対して「遅延型食物アレルギー」を疑っていました。

それぞれの食物アレルギーがあるかどうかは、まず血液検査で調べます。調べる抗体に大きな違いがあります。

即時型食物アレルギー・・・IgE抗体の量を調べる。

遅延型食物アレルギー・・・IgG抗体の量を調べる。

遅延型食物アレルギーで調べるIgG抗体は、食物アレルギーのない人の血中にもあると記事では指摘しています。
即時型では、IgE抗体が食べ物に反応して食物アレルギーが起きると解明されているようですが、遅延型では、IgG抗体が原因で食物アレルギーが起こると解明されているわけではないそうです。

息子たちが過去に何度も行っている「即時型食物アレルギー」の血液検査では、該当する食べ物に対してIgE抗体が働いているかどうかが分かります。そしてその関連性も確認されています。しかし、IgE抗体の数値が高いことが、すぐに「食べられない」ということに繋がるわけではありません。また、IgE抗体の数値が低くても食べられることもあります。結局、実際に負荷試験で食べてみないと分からないのですが、血液検査は絶対なものではないということが分かります。
わが家では血液検査は、負荷試験をするための「目安」と考えています。

遅延型食物アレルギー抗体検査とは

数百か所の医療機関が取り入れているほか、Amazonなどネットでも購入できます。アメリカ製の検査キットです。

IgG 96 スタンダード・フード・パネル[日本]

新品価格
¥28,728から
(2014/12/5 08:36時点)

指先から少量の血液をとり、乾燥させた血液サンプルを郵送して検査を依頼します。2週間ほどで結果が分かるようです。
96品目について調べることができるというのが最大の特徴。おなじみの、卵、乳製品、小麦などをはじめ、さとうきびや緑茶などという項目もあります。

何が原因か分からずに症状に苦しんでいる人にとって、その原因が分かるかもしれないというのは非常に魅力的です。アトピーや喘息などでは特にこの傾向があると思います。

では、なぜ「推奨しない」と発表されたの?

今回、日本小児食物アレルギー学会が「推奨しない」という見解を発表したポイントは2つあります。

IgG抗体と遅延型食物アレルギーの関係がはっきりと解明されていないこと。

検査結果をもとに特定の食品を除去した結果、低栄養などの健康被害が起きる可能性があること。

2番目の「特定の食品の除去」については、遅延型に限らず、即時型でも同じことが言えます。正しい診断を受けずになされた除去(自己判断を含む)は、健康被害に繋がる可能性があるからです。

私は今回、この発表を出したのが「日本小児アレルギー学会」だということがポイントだと思います。
子供の成長に必要な栄養素を、正確性が問われる検査によって除去するのは問題がある、ということで、それはもっともだと思います。

では大人はどうでしょうか。
記事によると、欧米のアレルギー関連の団体などは公式にIgG抗体検査の有効性を否定しているとのこと。

しかし、IgG抗体検査の結果自体に偽りがあるわけではありません(それがアレルギーと関係あるかどうかは不確実ですが)。であれば、この「IgG抗体検査を目安」にして、実際に食べて自分の体調を見ながら原因物質を探る、というのがこの検査の使い方なのではないかと思います。

問題は、この検査結果だけを絶対視しして、高い数値の出た食物を完全に除去するという極端な方法をとることではないでしょうか。

以上のことを踏まえて私なりの答えを出すとすれば…

食生活、生活環境に十分に気を付けてアレルギー対策をしているが、湿疹や鼻炎、結膜炎などがあり、これ以上自分で原因を探すのが不可能」という大人が、「何に気を付けた方が良いのかのヒントを見つけるため」に検査を受け、「結果をもとに原因食物を食べた時の反応、食べなかった時の反応を自分で詳細に調べ、症状との関連性を自分で判断する」ためなら、有益なのかなと思いました。

傍線を引いた上の3点が1つでも欠けるならば、私自身は検査を受けません。正直、お値段も高いです。アレルギーで悩む人は多いため、様々な療法がありますが、結局何を選んで何を選ばないかは自分の判断です。自分で情報を集め、自分で判断するそのための材料は、この検査の場合公開されています。

最後に

多くの医療機関で実際に使用されているという事実があり、また私が調べたメーカーに関してはホームページに、このキットが厚生労働省の改正薬事法に準拠した許可を取っていることが記されていました。
メジャーになりつつあるこの検査に対して、日本小児アレルギー学会がこのような注意喚起を行ったことは、「検査結果だけで除去をしてしまうこと」に対する注意喚起でもあると思います。
「アレルギーにしないためにはどうしたらいい?」「アレルギーになったらどうしたらいい?」私がお友達などから相談を受けて感じるのは、「アレルギーに対する漠然とした恐怖」です。確かにアレルギーがないほうが生活しやすいですが、「嫌だ」という気持ちが強すぎて正しい判断ができないことが何より問題ではないでしょうか。
記事を読んでこのように感じました。

注:筆者はただのアレルギーっ子の親です。また、この検査について推奨しているわけではなく、小児アレルギー学会の発表には賛成の立場です。

にほんブログ村 子育てブログ アレルギー児育児へ
にほんブログ村

Sponsored Links

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

Your Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PAGE TOP ↑