卵の抗原性の低下は、加熱だけではない
卵アレルギーの解除の進め方は過熱から生へ、徐々に量を増やしながら進めていきます。これは、卵の抗原性(アレルギー反応の起きやすさ)が、加熱によって下がるからです。
加熱ほどの大きな差があるかは分かりませんが、小麦と混ぜて加熱する事でも抗原性が低下することが確認されているそうです。
以下、医師から聞いた話と経験上の話を書いていきたいと思います。病院や医師によって異なるケースがあると思いますが、1つの例として読んでいただければと思います。
卵アレルギー解除のステップ
卵アレルギーの解除は、まず、何かに混ぜて高熱で焼いたものから始めます。ゆで卵や、スクランブルエッグから始めないのはなぜでしょう。
1つには過熱しにくいことが考えられます。
例えば、パンやクッキーならかなりの時間、高熱で焼き続けますがスクランブルエッグだとこげてしまいます。
もう1つには、直接卵が口に触れるということがあると思います。口に触れた段階で症状が出ることもあるため、まずはつなぎで口に当たらないようにするのだと考えられます。
ではつなぎとして始める場合。
パンやクッキー(すなわち小麦)と卵を混ぜて焼いたものと、ハンバーグなどの小麦以外と混ぜて焼いたものでは、どちらから始めると思いますか?
実は小麦からなのです。
卵は小麦と混ぜて焼くと、アレルゲンの抗原性が低下すると言われています。同量の卵を肉に混ぜて焼いたときと比べると、症状が起きにくくなることが確認されているそうです。
逆のケースは要注意
わが家の次男坊は、先日、病院で「卵1/4を混ぜて高温で加熱したハンバーグ」の負荷試験をクリアしました。帰宅後も同じようにして食べる事を指導されましたが、毎回ハンバーグだと飽きます。
さて、どうしよう…と思い、医師に尋ねた時に言われたのが「小麦以外ならいいですよ、小麦だと抗原性が下がることが確認されていますから、参考にならないかもしれません」の一言でした。
ここで気を付けたいのが、逆のケースです。
「卵が1/4入ったパンが食べられたから、ハンバーグに1/4の卵を混ぜても大丈夫♪」ではないということになります。
小麦に混ぜて負荷試験をしている方は、注意しながら進めた方が良さそうです。「パンの時は調子がいいのに、つみれやハンバーグに入れて食べると調子が悪い」というときはこういうケースも考えられますね。加熱の事もありますが。
もちろん、アナフィラキシーを起こす重症の場合は、「小麦だから大丈夫、肉だからダメ…」という細かな違いの前に、病院での負荷試験が必須ですので、自己判断で行わないようにしてくださいね。
あくまでも、加熱の程度と合わせて、知っておくとトラブルを回避できる程度…と考えていただければ。
わが家も長く続いた「アナフィラキシーだから負荷試験を進められない時期」を少しだけ脱しようとしています。まだまだこれからですが…。