インフルエンザの治療薬として使われている「リレンザ」「イナビル」で乳アレルギーの方がアナフィラキシーを起こす症例が報告され、厚生労働省が注意喚起を行っています。
インフルエンザの治療薬と言えば「タミフル」が知られていますが、吸入薬である「リレンザ」「イナビル」の方が服用する回数が少なく済むこともあり、最近は「リレンザ」「イナビル」を処方される事が増えていました。
ところが、乳アレルギーの患者に対し、イナビルに関しては因果関係が否定できないアナフィラキシー事例が5例、リレンザに関しては1例あった事が分かり、「イナビル」「リレンザ」を避けて「タミフル」を処方するケースが増えているようです。
「タミフル」に関しては服用して異常行動が出たなどの報告が一時期なされていましたが、薬との因果関係ではないと現在は言われているようです。
なぜ乳アレルギーでアナフィラキシー?
実はわが子がインフルエンザにかかり、病院を受診してきました…。「タミフル」を処方され、薬剤師さんと話していた時に上記の話を聞きました。
「リレンザ」「イナビル」に乳由来の成分が使われていたのでしょうか。
薬剤師さんのお話と帰って調べたところによると「乳蛋白を含む乳糖水和物」(いわゆる「乳糖」)がその理由とされているようです。
「リレンザ」「イナビル」を吸入した経験のある方ならわかると思いますが、ほんのりと甘い後味が残ります。吸入しやすいように「乳糖」を加えているのです。
実はこの「乳糖」、薬を処方される際に普通に使われているものです。乳幼児の薬は少なく、飲みにくいために加えるのだと、以前、薬剤師さんから説明を受けたことがあります。
乳製品を完全除去していた当時、乳アレルギーであることを薬剤師の方に話し、乳糖を加えずにお薬を処方していただきました。粉薬であれば可能な事ですが、「リレンザ」「イナビル」のような製品として封入されているお薬は「乳糖だけ除いて」というわけにはいきません。
「乳糖」とは何ぞや?
あらためて「乳糖」の説明をしますと…「乳糖」とは、哺乳類の乳汁に含まれている「糖」の一種です。アレルギー表示としては「乳」になります。
わが家の場合、乳アレルギーですが乳糖はOKです。牛乳の負荷試験を行い、ごくごく微量でアナフィラキシーが出ない事を確認したのち、乳糖OKの判断が出ました。
…というように「乳糖」は、牛乳そのものを摂取するよりはアレルギーが起きにくいと言われています。しかし、インフルエンザで体調が悪い時であれば、どうでしょうか。
乳アレルギーで完全除去している状態なら、乳糖が含まれている事を知らないことは当然危険です。
「よっぽどじゃないとアレルギー反応は起きないと思いますけどー」と簡単に言うお医者さんや薬剤師さんもいますが(今までの経験上)、そこは保護者の方が念には念を入れて気を付けるべきだと思います。
だって、インフルエンザで苦しんでいる上にアナフィラキシーを起こすなんて、想像するだけで辛いですよね。
しつこいほどに「アレルギー物質が含まれているか」を聞こう!
今回、こうした症例が報告されたことで、お医者さんや薬剤師さんにも広く知られ、薬の処方の際に声をかけてもらえるようになりました。本当に良かったと思います。
しかし一方で、やっぱり病院や薬局では、しつこいほどに「アレルギー」であることを話し、「その薬にアレルギー物質は入っていませんか?」と尋ねる事が大切だと思います。
わが家も「乳アレルギーです」と毎回言っているのに、「リレンザ」を処方された際に、乳糖が入っていますと言われたことは一度もありませんでした。
今回「トローチ」を処方されましたが、「トローチはアレルギー物質が含まれていませんか?」と尋ねると、先生が調べてくれました。たいていの先生は分からなければすぐに調べてくれます。
逆に考えれば、知らなくても、患者が聞かなければそのまま処方されるケースが多いはずです。聞けば調べてくれるのだから、「こんなこと聞いてもいいのかな…」などと思わずにどんどん聞きましょう!!