食物アレルギーの症状としてよくある蕁麻疹。症状が出たあとは子どもが興奮しないように落ち着かせたほうがよいのですが、なかなかうまくいきません。幼稚園から小学生にかけて私が実践してきた工夫を紹介します。
他人から蕁麻疹を指摘されるケースではなく、自宅で蕁麻疹が出たケースを想定しています。
蕁麻疹が出た顔を本人に見せない
顔に出た蕁麻疹は鏡を使わなければ自分で見ることはできません。そして、蕁麻疹が出た顔は子ども本人が見るとかなり怖いものです。異常事態、緊急事態です。そこで私は、蕁麻疹が出ていることを本人に指摘して薬を飲ませることはあっても、蕁麻疹が出た顔を本人に見せないようにしていました。
親は何事もなかったかのように平静を装う
子どもに蕁麻疹が出ると親も内心慌てます。頓服薬を飲ませ、経過を観察して、状況によっては受診やエピペンの準備をしておかなければなりません。内心「やばいやばいやばい、何食べたっけ?いつ食べたっけ?何分経ったっけ?」と焦ってますが、わが子は親が慌てると不安になるので、何事もなかったかのように平静を装います。
わが子が高校生になった今も、平静を装って対応しています
本人が蕁麻疹が出た自分の顔を見てしまったら
「蕁麻疹が出た顔を見せない」という方法は、まだ一度も見たことがない場合にのみ使える手段です。何かのきっかけで、蕁麻疹が出た自分の顔を見てしまった場合、この方法は使えません。
蕁麻疹が出た自分の顔を見たことがあると、次に蕁麻疹が出たときにその状況を思い出すので興奮度合いが増します。蕁麻疹を触ったりこすったりしてしまうことも。そこで「蕁麻疹の状況を見せて説明する」方法に切り替えました。
初めて蕁麻疹が出た自分の顔を見たときは、大泣きして大変でした
蕁麻疹が出て消失するまでの経緯を説明する
子どもの性格にもよると思いますが、小さいうちは蕁麻疹が出た顔をできるだけ本人に見せないほうがよいと思います。しかし、何かのきっかけで見てしまった場合や、既に見たことがある場合は、あえて蕁麻疹の状況を見せて「ちゃんと元の顔に戻るよ」と説明してあげる手もあると思います。わが子はそれで落ち着くようになりました。
わが家の場合は、小学校低学年の頃に説明しました
蕁麻疹が出て消失するまでには段階があります。わが子の場合、
- 大きく盛り上がる
- 盛り上がりが減る
- 平坦になるが赤みは残る
- 赤みが消えて通常に戻る
の4段階です。
大きく盛り上がったあとの工程を、まず手を使って説明します。手をグーにした状態が「1.大きく盛り上がる」、グーを少し平らにして「2.盛り上がりが減る」、手を広げて「3.4.平坦になり通常に戻る」。
「症状が出た最初はグーだけど、薬を飲んだ後は2になって、最後は元に戻るよ」と伝えておき、蕁麻疹が出たときに今がどの工程かを説明しながら、実際の顔を鏡や写真で本人に見せます。
「薬飲んで少し落ち着いたから、盛り上がりが減ってきたね(2の工程)」「赤みはあるけど平坦になったからもう大丈夫(3の工程)」といった感じです。
治るまでの見通しがつくと安心できるようで、落ち着いていました
子どもが小さいときは見せない…見てしまったらきちんと説明
蕁麻疹が出た顔は明らかにいつもの自分と違いますし、蕁麻疹を見せると気になって顔を触ってしまう回数が増えます。興奮して泣いて暴れることもあるでしょう。こうした理由から、小さなころは、蕁麻疹が出た顔を見せないほうが良いと個人的には思います。見ないほうが落ち着いていられるからです。
転んでも平気そうにしていた子どもが、血が出ているのを見ると泣いてしまう感じに似てます
一方で、成長すると蕁麻疹が出た自分の顔を見る可能性が高くなります。そうした場合に自分の症状がどのように始まり、どのように終わるかを知っておくことは大切だと思います。わが子の場合、症状の経過を理解したあとは、落ち着いて症状がおさまるのを待っていられるようになりました(小学校低学年~中学年頃)。
蕁麻疹が出たときに子ども自身がどのような反応を示すかは、子どもの性格や年齢によってまちまちです。お子さんに合う方法を探すうえで、一つの例として参考になれば嬉しいです。