乳・乳製品アレルギー

牛乳は1種類じゃない!牛乳の選び方や成分表示の見方を解説【アレルギーの観点から】

スーパーに並んでいる牛乳はすべて同じではありません。「牛乳」「加工乳」「乳飲料」とが混ざっているのです。牛乳の負荷試験や摂取には一般的に牛乳を使います。間違いやすい両者について説明します。※記事にはプロモーションを含みます

牛乳、加工乳、乳飲料の違い

牛乳という名前で売られているものには、牛乳成分のみのものと、牛乳成分に乳製品以外をプラスしたもの(乳飲料)があります。牛乳成分のみのものも、生乳100%のものと加工乳にわけられます。

牛乳の種類

  • 牛乳とは生乳を加熱殺菌しただけのもの。
  • 加工品とは、生乳に脱脂乳、脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム、バターなどの乳製品を加えたもの
  • 乳飲料とは、生乳や乳製品を主原料に、ミネラル、ビタミン、コーヒー、果汁など乳製品以外を加えたもの

参考:知って納得!牛乳の種類 | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)

アレルギーの観点で重要なのは"たんぱく質の量"

牛乳アレルギーの観点で重要なのは、牛乳に含まれるたんぱく質の量です。食物アレルギーの原因となる"アレルゲン"とは、主にたんぱく質を指すからです。「牛乳●ml飲める」をアレルギーの観点で正確に言うなら「牛乳●mlに含まれる乳たんぱく質〇gが摂取できる」になります。

牛乳、加工乳、乳飲料は、含まれるたんぱく質の量が異なるという大きな違いがあります。牛乳100ml飲めるからといって、加工乳や乳飲料が同じだけ飲めるとは限りません。たんぱく質の量が異なるからです。

含まれるたんぱく質量が同じもの同士で比較しなければなりません。病院での負荷試験で「100mlあたり乳たんぱく質量3.3gを含む牛乳を50mlクリアした」のであれば、家出の摂取も「100mlあたり乳たんぱく質量3.3mgを含む牛乳」でおこなうのが順当です。※厳密に言えば、たんぱく質量を計算すればほかのものでも可能です

牛乳類の規格の違いを学ぼう

牛乳類の規格の違いは、以下の通りです。

画像は一般社団法人JミルクHPよりお借りしています

たんぱく質量の違いは以下のように書かれています。

牛乳類にたんぱく質量の違い

  • 成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳ともに無脂乳固形分が8.0%以上なので、摂りたいカルシウムやたんぱく質は[種類別] 牛乳と同等に摂れます
  • 加工乳は、無脂乳固形分は8.0%以上と定められていますが、脱脂乳や脱脂粉乳などを加えることにより、実際は8.5~10.0%と[種類別] 牛乳と同じか多く含まれています
  • 乳飲料は乳固形分(無脂乳固形分と乳脂肪分を合わせたもの)は3.0%以上含むことと定められています。

無脂乳固形分とは、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分。たんぱく質や炭水化物、ビタミン、ミネラルなど

引用:知って納得!牛乳の種類 | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)

牛乳、加工乳、乳飲料のたんぱく質量の違いがわかると思います。成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳も含め、スーパーで「牛乳」を購入するときは成分の確認が必要です。

このほかに、限られた地域でのみ販売される「特別牛乳」もあります。こちらは無脂乳固形分が8.5%以上です。参考:飲用乳の表示|全国飲用牛乳公正取引協議会 (jmftc.org)

牛乳のたんぱく質量の確かめ方

牛乳類のたんぱく質量は、牛乳の側面を見ればわかります。上の写真では、100mlあたりたんぱく質量3.3gが含まれると書いています。

文部科学省の食品成分データベースで牛乳を検索してみると、たんぱく質量は以下のような結果になりました。上の写真同様、普通牛乳のたんぱく質量は3.3gとなっています。

牛乳成分

引用:文部科学省 食品成分データベース検索結果表示

たんぱく質量を見るのが確実ですが、毎回見るのは面倒です。私は「牛乳かどうか」を確認してスーパーで購入しています。

牛乳かどうかの見分け方

飲用乳の表示は以下のように定められています。上の写真の「種類別名称」の部分です。

飲用乳のうち牛乳と名がつくのは、「牛乳」、「特別牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」の5種類です。そのほか飲用乳には「加工乳」と「乳飲料」の2種類があります。これらの名称を「種類別名称」といい、容器の一括表示欄 や商品名の近くに表示されています。

飲用乳の表示|全国飲用牛乳公正取引協議会 (jmftc.org)

原材料名の箇所にも以下のような違いがあります。

牛乳の種類による原材料名の表示

  • 牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳の5種類は「生乳100%(国産)」
  • 加工乳、乳飲料は「生乳(50%以上)(国産)」あるいは「生乳(50%未満)(国産)」

参考:飲用乳の表示|全国飲用牛乳公正取引協議会 (jmftc.org)

※上の写真は古いものなので(国産)表示がありませんが、現在のものには表示されています

そのほかに、牛乳パック自体にも違いがあります。

牛乳パックの上には、「切欠ききりかき」と呼ばれる扇型の「へこみ」が1箇所あります。
この切欠きは、目の不自由な方なども、数ある紙パック飲料の中から生乳100%の【種類別 牛乳】を識別できるようにつけられています。また、【反対側が開け口】であると知らせる役割もあります。(バリアフリー対応容器)

牛乳パックについて - ミルク教室|見る・知る・学ぶ|らくのうマザーズ (mothers.or.jp)

切欠きはすべてのメーカーが取り入れているわけではないようですが、「種類別 牛乳」を選ぶ際の目安になりますね。目の不自由な方がわかりやすくするための工夫とは、知りませんでした。500ml以上の家庭用紙パック(屋根型容器)を対象としています。

私は、購入するときは種類別名称に「牛乳」とあり、原材料名が「生乳100%(国産)」のものをパッと確認して購入しています。子どもに買い物を頼むときは「切欠きがあるもの」で考えてもよさそうです。

成分に詳しくない人に牛乳を買ってきてもらうときには、こうした点を確認してもらうと間違いがないように思います。

たんぱく質量の話がわかれば、乳成分の摂取がしやすくなります。以下の記事もあわせてどうぞ。 

まとめ

同じ100ccであっても、牛乳の乳たんぱく質量と、加工乳や乳飲料の乳たんぱく質量は異なります。生乳100%の牛乳100ccを飲めたから、加工乳や乳飲料100ccを飲めるわけではなく、逆も同じです。

牛乳にはさまざまな種類があることを知っておきましょう。牛乳アレルギーの負荷試験や日々の摂取で使うときは、いつも同じたんぱく質量であることが大切です。スーパーで牛乳を選ぶときは、記事内で紹介した見分け方をぜひ参考にしてみてください。

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